農家のための復興支援
3年たってわかった大事なことが2つあります。
1つは、福島県内の農地の中で、5000Bq/kg以下の土壌除染は、行わないという事実。※
もう1つは、福島県内の山林除染は、規模が大きすぎて行えないという事実。
私たちは、可能な限り本当の復興を目指しています。
私たちの、希望は、私たちの手で、勝ち取らなければならないということ。
10年後、「ふくしま」という単語が復興のシンボルとなることを信じて。
※福島の農地のそのほとんどが5000Bq/kg以下。現在、行われている除染は、放射能抑制材の添加(カリウム)も、ゼオライト(セシウム吸着材)添加も、そのまま農地にセシウムが残るやり方で、セシウムは、農地に残ったままなのです。
これからおこなわなければならないこと
次の4つの施策を行っていき、本当の復興を目指していきます。
『放射能測定をもっと身近に!』現在行われている放射能の測定は、専門員により行われています。
しかし、昨今、日本の会社による技術革新により非破壊式で、誰でも簡単に測定できるようになりました。
見えない敵ほど、怖いものはありません。『放射能測定をもっと身近に』放射能を見える化します。
また、土や肥料の放射能測定が身近になることにより、農地除染のスピードも格段と向上します。非破壊式の放射能測定器は、農産物・農地測定を身近にします。
2013年度、実証した『農家の農家による農家のための除染』で、有機除染を行っていきます。
有機除染は、土の力を最大限引き出し、農地からセシウムだけを取り除く方法です。
2013年度は、この有機除染方法で除染した後に作ったお米を、お米の食味コンクールに出展しました。
食味値90と高得点の結果でした。有機除染の成せる技です。
本当は、上流から除染をすることが大事ですが、山林の除染規模が大きすぎて行えないという事実。
このことは、水路からセシウムの混入の恐れが少なからずあることを意味します。しかし、最近の日本の会社の技術革新により、水路にセシウム吸着フィルターを設置することで、汚染を防止することができます。
この3つを行い、やっと震災前の状態に原点復帰となりますが、実際には、風評被害は、そう簡単になくなりません。
そんな中、放射能以外に私たちを取り巻く食生活環境の中でその安全性に疑問を持つものも多く存在していることに気づかされました。
これから私たちの進むべき道として、農薬や化学肥料をなるべく使用しなかったり、より安全な作物づくりに工夫が必要と考えています。今回の事故の経験を活かして、本当の意味で、世界一安全といわれるような農作物をつくっていきます。
また、販売促進を同時に進めていくことで、本当の復興を勝ち取れることと信じております。